柳本光晴「響~小説家になる方法~」

響?小説家になる方法?(1) (ビッグコミックス)

文藝誌業界に性格と才能が破格の新人(15歳女子高校生)が出てくる話。狭い業界の裏側と破天荒で才能あふれる主人公を描く漫画なんて鉄板じゃん?フィールドが文芸誌っていうのはめずらしいけど、同じぐらいの子を引きあいに出してライバルっぽくするとか、主人公の才能に触れた大人たちがどんどん心折れてく感じとか予想通りじゃん?「マンガ大賞」獲ったし読んどく?といったノリで手を出して読了後に平謝りしたくなる気もち、今。

主人公の性格が破天荒なのは読み進めるなかで重々思い知らされてるのに、予想をどんどん超えてくる楽しさ。作中で振り回される周りの大人キャラと同じ気もちで、読み手の自分も思わず半笑いになってしまう。暴力描写はあまり好きじゃないほうなのに、パイプ椅子で人が殴られるシーンで思わず笑ってしまった。はちゃめちゃな性格なんだけど、いちいち本人の理屈がとおってるところが好ましい(逆にそこの描き方が甘くて暴力性だけ際立った漫画は苦手だ)。いいぞ~、もっとやれ~!!!

今のところ(既刊6巻)まだ主人公が書いた小説の部分に関してのディテールはあまり出ない。音楽漫画などが顕著な「作中の作品どうするか問題(本作の場合は主人公が書いた純文学)」について触れられる機会も今後ありそうだけど、キャラの力がここまで強いとそんなに気にならないんだなあという発見。そういう意味では「業界あるある漫画」でもないし、このまま「作中作品不在」な感じで話を進めてくれたらいいなあとも思う。そこに「肝心の小説部分が描かれていない」とかごちゃごちゃいうのはナンセンス~。描かれないからこそ際立つところかなとも。