尻が透けるパンツを奨励する

異常に下着にこだわる男性を何人か知っている。女性が纏う下着ではなく、自分が身に着ける下着についての執着で、自身の経営する古道具屋にお気に入りのブリーフ(しかも水色)を置き「これ僕が好きな下着なんです」とお勧めする知り合いが一番の狂気を放っている(否定しているわけでなく、むしろ賛辞を送りたい)。そういえばヴィンセント・ギャログンゼの白ブリーフがお気に入り、という有名なエピソードがあったけど、今も好んで履いているのだろうか。わざわざ日本から大量に取り寄せて。

そもそも女友達と下着についての話をした覚えがない。みんな何らかの基準でどこかから仕入れているのだろうけど、まるで話題にあがらない。みんな私の知らないどこかで闇下着会議でもやっているのだろうか。やってないか。

私自身「上下の色が揃ってればいいんだっけ?」ぐらいの意識しかないのだが、意識は低くともある程度の納得ができる買い物はしたいところではある。個人的に納得がいかないのは世の流れが「コットンは肌に優しい、最高の素材!」という風潮にあることで、私がコットンのパンツを「資本主義パンツ」と心の中で呼んでいることをここで改めて表明したい。だって! 洗うとすぐ素材もゴムも伸びるし! 耐久性に問題がありすぎるだろ!!!!! 「自分のよれよれになったパンツを干す」という行為は、人生における悲しい瞬間ランキングで上位にランクインしている。

では何を買おうか、と考えると、いわゆるキラキラした女性下着はまず論外で(さっきの「よれパンを干す」に「男受けが良さそうな」を組み合わせると破壊力ボーナスがつく)、シンプルの聖地である無印良品は完全にコットン教に飲み込まれているし(十数年前までは無印にも化学繊維の下着はあったのだが教祖が変わったのだろうか)。たいした期待もせず、よろよろと次の聖地であるユニクロに向かったところ、私は出会ったのである「ウルトラシームレスショーツ」に。

ウルトラシームレスショーツは縫い目がない化学繊維のパンツだ。そもそもの「パンツのゴム」という概念がなく、化学繊維なのでおそらく素材が伸びることもコットン素材と比べて少ないのである。手に取るとペラペラなので一瞬不安になるが、着用すると特に問題なし。ていうかペラペラなので畳むとものすごく小さくなる、省スペース。

で、このウルトラシームレスショーツには、ビキニタイプ、ヒップハンガー、メッシュバック、タンガ(いわゆるTバック)の4種類がある。いくつか買ってみたのだけど、おすすめなのが、ずばりメッシュバックだ。名前の通り後ろが通気性の良い素材になっていてなぜか尻が透ける!!!(公式サイトには「通気性が良く、女性らしいデザイン」と記載があるのだが「尻が透ける」のがなぜ女性らしいのか、なんとなくわかるけどあえて「謎」と定義したい)。後姿がセクシーな感じになるのだが、そんなことはどうでもよく、背面がメッシュになっていることによって「履くときに後ろ前がものすごくわかりやすい」のである。これ最高だ!!!(個人の感想です)。ということで大量買いをした報告です。