漫画

2016年11月23日(水・祝)

夜のバスタ新宿は初。深夜バスに乗って朝6時過ぎに仙台に着く。肌寒いとかじゃなくて明確に寒いが、天気が良いのが救い。仮眠を取ろうと漫画喫茶に入りかけてすぐに店を出る。調べたら1時間以内に出発しないと開館タイミングには間に合わない。目的地までの…

新田章「あそびあい」

中学生のとき、仲の良かった女の子が、文字通り顔面蒼白で私のところへやってきて「怖い」と相談してきたことがある。話を聞くと、深夜帯に下世話なエロい番組を持っている地元FM局のパーソナリティーと仲良くなり、今晩意味深な時間帯に呼び出されていると…

入江亜季「乱と灰色の世界」

唐突に、自分の脚がちゃんとあるか確かめたくなる瞬間というか癖がある。とりあえず、つま先を地面に何回か打ちつけてみたりする。その大半が電車で揺られているときのことで、不安に駆られるのではなく「そういえばちゃんとあったっけ」ぐらいの気もちでや…

近藤聡乃「A子さんの恋人」

最近発売された2巻を読み、それまでは「面白いな~」ぐらいだったのが「大変だ! クッソ面白い!!!!!!」に位があがり、身の回りの人に見境なく貸しまくっている。今手元にない4冊と、これを書くのにあたり今買ってきた1冊をあわせて計5冊(1巻が3冊、2…

田島列島「子供はわかってあげない」

去年、読んだ後にSNSに投稿していたテキストが私の感想の大半を物語っていたので転載します。自分のテンションの高さが異常。あとこれが田島列島さんのデビュー作だったのほんとに驚いた。 読み終わったあとの寂しさがありつつ、1、2巻じゃなくて上下巻であ…

たかみち「百万畳ラビリンス」

表紙をざっと見て、作品説明をざっくり読んで、思いついたストーリーは「閉じ込められちゃった不思議な世界から男女2人が協力して脱出を目指しつつ、なんやかんやで色恋の流れが発生する甘酸っぱいやつ」的なもの。そんな先入観で手に取ったら、いい意味で裏…

施川ユウキ「オンノジ」

一人取り残された女の子・ミヤコと「ちょっと変な世界」の4コマ漫画。自分以外の人間が誰もないという絶望的な設定でギャグ(それもすごいゆるい)が続く。「狂った世界をポジティブに楽しもう!」と、改めて字面に起こすと不安要素しかないのだけれど、キャ…

原泰久「キングダム」

あえて書くまでもなく当たり前だけど、音楽とかお笑いとか食べ物や育ってきた環境と同様に、漫画も人によってツボが違う。自分が面白いと思った作品が、万人に受け入れられるわけがない。自分の趣味の一環で、友だちや同僚に漫画を貸したりあげたりしている…

すぎむらしんいち「ホテル・カルフォリニア」

映画化を願っている漫画がいくつかある。それは「映画化したら面白そう」という類のものではなくて、話の組み立て方がまさに映画、各エピソードの終わり方が映画、余韻が映画、とにかく全部が映画の要素で組み立てられている、そんな漫画。その中のひとつが…

高野雀「低反発リビドー」

初の単行本「さよならガールフレンド」も大好評(身の回りの絶賛っぷり半端ないし、それに互いない面白さ)の高野雀先生によるショートショート「性癖」漫画。1話が5P前後なのでざくざく読める。全1巻に30話。勝手に「性癖図鑑」的ものを期待して読んだらち…

眉月じゅん「恋は雨上がりのように」

表紙に登場するかわいい女子高生・あきらの目線を中心に描かれる恋愛漫画。ただし、彼女の思い人はバイト先のさえない店長(45)という少し変わった設定。ギャグ漫画的なノリを想像して読んだら、至極まっとうな恋愛漫画だったので驚く。しかも掲載誌が「ビ…

大川ぶくぶ「ポプテピピック」

クソ漫画大好きメーターがビンビンに振り切れる4コマ漫画。時の流れがいっさい考慮されていない特攻隊のような時事ネタ、某人気漫画のパクリ、ターゲット属性が狭すぎるあるあるネタ、コピペによるコマの使いまわし、脈略のない思いつきのネタなどの宝石箱。…

朔ユキ蔵「神様の横顔」

朔ユキ蔵先生が演劇漫画を描きはじめた。あの「アイドルとヤリまくって身体に星のアザを持つ女性こと「フクマン」を7人探そう!)」とか「読者が“さっさとヤレよ!おまえら!”と突っ込みたくなるほど展開が全然進まない学園内浮気もの」とか「ものすごいヤリ…

くらもちふさこ「α」

漫画のことをポツポツ書く中で触れたいテーマがいくつかあり、そのうちのひとつが「連載誌で読むべき漫画問題」だ。漫画読みには「単行本派」と「連載派」という2大勢力があり、頻繁に「ネタバレ」をキーワードに死闘を繰り広げているが、そのあたりの是非は…

タナカカツキ「マンガ サ道 ~マンガで読むサウナ道~」

漫画家でアートディレクターで映像作家で「水草水槽の世界ランキング第8位」と、肩書きがどんどん大変になっていくタナカカツキさんによるサウナ指南本。2011年にも「サ道」というサウナ体験記を出しているカツキさんですが、今回はまさかの連載化。「モーニ…

西原理恵子「ダーリンは70歳」

どこで聞いたか忘れたけど「月給が100万を超えると色々どうでもなってくる」っていう話が頭に残っていて、人間の価値観を一番簡単に変える方法ってきっとお金なんだろうな、と思う今日この頃です。「ダーリンは70歳」こと、西原理恵子と「YES!高須クリニッ…

野田サトル「ゴールデンカムイ」

表紙のイメージとざっくりしたあらすじから「エグい&怖い&男臭い系」っていう先入観で読みはじめたら、そんなくだらない思い込みをきれいに裏切ってくれて思わず拍手。ブラボー。生臭くてシビアな話に、雑学&グルメのアクセントを添えたら、まぁなんてお…